Crypto Buzz News

仮想通貨とWeb3の最新ニュースの解説

米司法省がDragonfly幹部に照準、Tornado Cash事件が再燃中

Dragonfly Capitalのパートナーが刑事責任を問われる可能性
 → 単なる出資者が「関与・助言」によって起訴対象となるかどうかが焦点。
Tornado Cashとの関係を示すKYC統合に関する内部メールの存在
 → 出資だけでなく、プロダクト設計への関与があったかどうかが司法判断の分かれ目。
Tom Schmidt氏が第5修正権(自己負罪拒否権)を行使したこと
 → 起訴準備の本格化を示唆する動きとして注目。
規制リスクの波及範囲:プライバシー系通貨・VC出資プロジェクトへの影響
 → Zcash、Monero、TORNだけでなく、Dragonfly関連銘柄にも連想売りの可能性。
今後の裁判スケジュールと起訴判断のタイミング
 → 今週末〜来週にかけて、証拠開示や弁論が予定されており、事態が大きく動く可能性あり。

  • Tornado Cashは、イーサリアム上で匿名トランザクションを可能にするミキサーであり、北朝鮮のLazarus Groupとの関連などを含む多額のマネーロンダリング疑惑により、2022年に米財務省OFACから制裁対象に指定されました。
  • 同プロジェクトの共同創設者であるRoman Storm(ローマン・ストーム)らは、マネーロンダリングや制裁違反の容疑で起訴され、現在ニューヨークで裁判が進行中です(懲役最大40–45年の可能性) 。

米司法省(DOJ)の動き

  • 2025年7月25日の裁判で、補佐検察官Nathan Rehn氏はDragonfly Capitalの**Tom Schmidt(ジェネラルパートナー)および Haseeb Qureshi(マネージングパートナー)**に対する起訴の可能性を公に示唆しました。特にSchmidtに絞って言及されましたが「限定された一部の社員」とされ、企業全体ではないとの内容です。
  • 証拠として、StormとDragonflyの間でやりとりされたKYC(本人確認)導入に関する内部メールが提出されており、これが重要な論点となっています。
  • Schmidt氏は自らの証言を拒否し、**合衆国憲法修正第5条(自己負罪拒否権)**を行使して法廷での発言を控えました。これにより免責条件なしでは証言できない立場となっています。
  • つづく審理は来週再開され、今週末には弁論が行われる予定と報じられています 。

Dragonfly側の反応

  • Haseeb Qureshi氏は自身のX(旧Twitter)で次のように主張しています: “We made this investment because we believe in the importance of open‑source privacy‑preserving technology… We did not operate or exercise any control over Tornado Cash…”
  • 起訴の可能性に対しては「groundless(根拠なし)」「absurd(不当)」と断言し、全面的に弁護する用意があると述べています。
  • 同氏は、DragonflyとしてはTornado Cashへの支援は合憲かつ慎重になされたとし、投資当時にはFinCENの規制対応も確認済みだったと強調しています。

意義と業界への影響

  • 仮にDragonflyのパートナーが起訴されれば、VC投資の投資家責任・法的責任の拡張に関する新たな先例として注目されます。特に、技術そのものではなく出資・助言の行為が法的対象となる可能性です。
  • オープンソースかつ分散型プロジェクトであるTornado Cashに対し、「投資・助言をしただけでも犯罪に問われかねない」リスクが浮上しており、特にプライバシー重視のDeFiプロジェクトへの資金提供や参画に慎重な姿勢が求められる状況です。
  • 一方で、VC業界の一部や開発者は「投資の自由や革新の阻害につながる危険性」を懸念しています。被害者の有無を問わず、資金提供の法的責任が問われる可能性は、ブロックチェーン技術の健全な発展に逆風となる恐れがあります。

まとめ

項目概要
対象人物Tom Schmidt(Dragonfly GP)、Haseeb Qureshi(MP)
起訴内容2020年のTornado Cashへの投資、KYC助言の有無を巡る関与
証拠Tornado Cash開発者とのKYC統合に関するメール
Schmidt氏の対応第5修正権を行使し証言を拒否
Dragonflyの立場投資は合法的に行われた。起訴は不当と反論
業界インパクトVCの法的責任拡大とDeFiプロジェクトへの慎重な姿勢

影響を受ける可能性のあるコインとその理由

コイン名影響度(高・中・低)理由
ETH(イーサリアム)Tornado Cashはイーサリアム基盤のDApp。事件の進展はEthereum上の匿名性・コンプライアンス問題に直結するため、規制リスクとして価格下落や資金移動を誘発する可能性あり。
TORN(Tornado Cashトークン)中核プロジェクトトークンであり、司法進展次第で価値の暴落や取引所上場廃止リスクが拡大。すでに多数のDeFiプロトコルから除外されており、さらなる下落が懸念される。
ZEC(Zcash)プライバシー系通貨の代表格。Tornado Cashへの規制強化は、匿名性を重視した通貨全体への逆風と受け取られる可能性あり。
XMR(Monero)Zcash同様、匿名性を特徴とする通貨。司法判断によっては、「類似機能を有するコイン」にも波及する可能性がある。特に米系取引所からの上場廃止の圧力が高まるリスク。
DYDX(dYdX)Dragonflyが投資するDeFi銘柄の一つ。直接的な関係は薄いが、Dragonfly関連の評価損や資金流出が連想される可能性がある。
UNI(Uniswap)Tornado Cashと同じくEthereum上の代表的DeFiだが、明確な違法行為の証拠はなし。ただし、Tornado Cash事件を契機にDeFi全体への規制が強化されれば、影響を受けるリスクはある。
LDO(Lido DAO)Dragonflyが出資しているプロジェクトの一つ。司法の調査対象にはなっていないが、投資家に対する法的責任が厳格化すれば、VCからの資金流入鈍化という形で間接的に影響が出る可能性あり。

考察

  1. 起訴の可否は、メール内容の「具体性」に依存する
     単なる技術相談と、KYC排除や指示に至る証拠の差が、重大な鍵となります。
  2. 今後の法的流れ
     Schmidt氏への免責供与の有無、証拠開示の範囲などが、起訴判断の分岐となる見込みです。
  3. DeFi/VC関係者への影響
     革新と規制の境界が曖昧な中で、倫理的かつ法的な枠組みが求められています。特に匿名性設計を持つプロジェクトへの投資判断は、慎重なリーガルレビューが必須でしょう。
  4. グローバルな連鎖反応も視野に
     米国がこのような立場を取れば、他国にも投資家責任を問う動きが広がる可能性があり、VC/開発の国際的戦略にも再考が迫られます。

今後も裁判の進展、証拠のさらなる公開、司法判断などを追いながら、引き続き注目していきます。

Leave a Reply

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です