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PayPalがステーブルコイン拡張 Stellar対応と規制進展で市場激変か

PayPalのステーブルコイン(PYUSD)がStellarネットワークに拡張
→ 少額・高速決済へのユースケース強化。XLM価格やマイクロファイナンス市場に直接影響。
FRBパウエル議長がステーブルコイン規制の必要性に言及
→ 安定通貨の法整備(GENIUS Act)が本格始動し、制度リスクが後退。機関投資家・金融機関の参入が現実味を帯びる。
ステーブルコインの準備資産として米国債の存在感が増大
→ 市場規模が2兆ドル級に膨張。国債需給や利回りにも影響し得るマクロ要因に。
マルチチェーン化による送金・決済用途での競争激化
→ Solana・Stellar・L2など、用途別に最適チェーンの棲み分けが進む。Feeアービトラージ環境の整備。
“決済インフラ系”銘柄への資金流入の可能性
→ Ripple(XRP)、MakerDAO(MKR)、Frax(FXS)など、法対応が進むプロジェクトに注目が集まりやすい。

PayPal CEOが語る「ステーブルコイン実用化」への本気度

ポイント

  • PayPal CEO Alex Chrissが「PYUSDを“より多くの開発者に届け、ユースケースを解き放つ”」と投稿し、実用フェーズの加速を宣言。
  • PYUSDは6月11日付でStellarネットワークへの拡張を正式発表。低コスト決済・マイクロファイナンス等の用途を視野に入れる。
  • 米上院は安定通貨法案「GENIUS Act」を可決。翌24日、FRB議長ジェローム・パウエルは「法案が動くのは素晴らしい。“Stablecoin framework is needed.”」と支持を表明。
  • 規制明確化を背景に、今年だけでステーブルコイン市場は2,560億ドル規模まで成長。米短期国債の新たな大口購買主体にも浮上。

PayPalの戦略アップデート

2-1. CEOが示した“ユースケース解放”

LinkedInでChriss氏は「“More blockchains, greater access – and we’re not stopping now.”」とコメント。Ethereum/Solanaに次ぐStellar対応で、マルチチェーン展開を明確に打ち出した。

2-2. Stellar版PYUSDの狙い

Stellarは1トランザクション≒0.00001 XLM(約0.001円)の手数料と2〜5秒の確定時間を誇り、少額決済・クロスボーダー送金・給与前払いなど“日常決済”分野と相性が良い。公式発表では、

  • 新興国向けマイクロローン
  • PayFi(請求書ファイナンス)によるSMB向け運転資金
  • 170+ カ国へのオン/オフランプ接続
    など具体例が列挙された。

2-3. 既存インフラとの接続

6月23日、Fiservとの提携で銀行向け「FIUSD」とPYUSDを相互運用し、B2B決済・越境ペイアウトを強化する計画も公表。

要するに:PayPalは“自社ウォレット内の実験通貨”に留まらず、銀行・決済ネットワーク・他チェーンとつなぐ「ユーティリティ層」へステーブルコインを昇格させつつある。

規制サイドの地殻変動

日付動き主体
6/18GENIUS Actが上院を68-30で可決。米上院
6/24パウエル議長「法案進展は素晴らしい。Stablecoin framework is needed」と証言。FRB・下院公聴会
6/25Reutersが「ステーブルコイン保有が米短期国債の2%=約2,000億ドル」と報道。市場関係者

規制当局と議会が“明確なルールこそ市場拡大の前提”と歩調を合わせはじめた点は、2019-23年の“停止命令&空白状態”からの大転換だ。

市場・ユーザーへのインパクト

  1. 手数料競争が本格化:マルチチェーン化によりブロック間のFee‐Arbitrageが進行。「高額ETH→0.1$未満(L2)→数銭(Stellar)」と価格が可視化され、ユーザーは用途ごとに最適チェーンを選択可能。
  2. 銀行・カード会社が前向き:パウエル発言により“銀行も安全性を担保すればCrypto提供OK”と明文化。PayPal-Fiserv連合はこの地合いをテコに、既存フィンテックの橋渡し役を狙う。
  3. 国債需要の新プレーヤー:リザーブ資産としての米T-Bill需要が約2兆ドルまで膨張するとの試算も。財務省にとっては安定的な買い手、発行戦略の新パラメータになり得る。

ステーブルコイン規制・PayPal拡張を受けて値動きが出やすいと想定される銘柄一覧

コイン(ティッカー)影響度*主な理由
Stellar(XLM)◎ 高PayPalがPYUSDをStellarへ拡張。170 カ国以上で小口決済・送金用途を狙うため、ネットワーク手数料として使われるXLM需要が直接増加しやすい。
Solana(SOL)○ 中-高PYUSDは既にSolana上で300 百万ドル超を発行。高速・低手数料チェーンとして実需が続く一方、Stellarに一部シェアを奪われる可能性もある。
Ethereum(ETH)○ 中PYUSDを含む主要ステーブルコインの“デフォルト”チェーン。L2へのシフトで手数料収入は薄まるが、流動性ハブとしての地位と機関投資家の参入余地は大きい。
Ripple(XRP)○ 中-高SEC訴訟終結とRLUSD(RippleのUSDステーブルコイン)展開、さらにGENIUS Actによるクロスボーダー決済の追い風が重なり、決済インフラ銘柄として注目。
MakerDAO(MKR)○ 中DAIは準備資産に米国債を増やし、GENIUS Actの1:1担保要件を満たす方向。DAI流通拡大=プロトコル収益増がMKR買い圧力に。
Frax Share(FXS)△ 中創業者が法案策定に関与し、Fraxを“準・法定”ステーブルコインに適合させる方針。コンプライアンス期待で再評価の余地。
Aave(AAVE)△ 低-中ステーブルコイン貸借需要が膨らむと預貸スプレッドが拡大し、トークン買戻し&fee-burn が進む可能性。
Arbitrum(ARB)△ 低L2の中で送金額シェア35%と首位級。手数料の安さからステーブルコイン決済が流入すれば、ガバナンストークンの価値向上要因。

考察

「ステーブルコイン=Cryptoの入口」から「決済の核」へ

  • 規制の前進が“単なる安心材料”から“競争の土俵”に変わった瞬間だ。ルールが明確になれば、PayPalのような大手はシェア奪取フェーズへ一気にギアを上げられる。
  • マルチチェーン路線は不可避。ガス代・UX・規制要件の差に応じてチェーンを抽象化し、裏で自動ルーティングするプロダクトが主流になるだろう。
  • 一方、国際政治リスク(デジタルドル支配)や準備資産集中リスク(T-Bill需給偏重)も拡大する。規制当局は“金融安定 vs. デジタル競争力”のバランスを取る難題に直面するはずだ。
  • 投資家視点では、決済特化L1/L2リアルワールドアセット管理オン/オフランプ分野が次の波を受けやすい。逆に“ガス代が高く、用途も曖昧な汎用チェーン”は淘汰が進む可能性が高い。

総じて、PayPal × Stellarは「大衆決済にブロックチェーンを根付かせる実証実験」以上のインパクトを持つ。2025年後半は“ユースケースの質”を競う段階に移り、ステーブルコイン戦争の本番が始まる――そう見る。

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