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プーチン主導でBRICSが脱ドル加速、デジタル通貨体制を構築へ

近年、BRICS(ブラジル、ロシア、インド、中国、南アフリカ)諸国は、ドルへの依存を脱却するべく、国際金融システムの再構築へと動いています。特にロシアのプーチン大統領とBRICS新開発銀行(NDB)のリーダーがデジタル決済プラットフォームや自国通貨決済システムについて協議し、非ドル圏での取引インフラ構築を加速しています。

最近の動きと背景

BRICS Payの具体化

  • BRICS Payはブロックチェーン技術に基づいた分散型の決済メッセージングシステムで、会話では「BRICS Bridge」とも呼ばれています。
  • ロシアと中国が主導し、中央銀行間で自国通貨を用いたメッセージ交換や決済が可能なネットワークを構築中で、SWIFT脱却を目指しています。

国家通貨決済の拡大

  • プーチンは「国際取引における自国通貨利用の拡大と、デジタルプラットフォームの共同開発」が重要と強調し、BRICS新開発銀行は約390億ドル分の120件のプロジェクトを承認済みです。
  • これにより、米国制裁への回避、ドル関連リスクの軽減を意図しています。

多極通貨・CBDC推進の流れ

  • 中国はデジタル人民元(e-CNY)を用いた多極通貨体制の促進に本腰を入れ、上海に国際運営センターを設置、CIPSによる人民元決済促進を推進しています。
  • ロシアは2023年8月に「デジタルルーブル」を導入、中央銀行が発行するCBDCの試験運用を進めています 。
  • 南アフリカ、ブラジル、インドといったBRICS諸国も、地域通貨やCBDCを通じた決済網の整備を進めており、アフリカではすでにローカル通貨決済システム(PAPSS)が稼働中で、米ドル取引を削減しつつあります。

グローバルな影響と課題

  • ドル離れ(De-dollarization)が進む兆し:BRICSによるシステム構築は実際のドル決済削減を引き起こす可能性がありますが、現時点では部分的にとどまっています 。
  • 政治的抑圧:米元大統領トランプなどが、ドル支配への挑戦を警戒し、関税引き上げで報復する構えを見せています 。
  • 内部対立:BRICSメンバー間で経済構造や通貨政策にバラ付きがあり、中国主導の動きには他国が慎重姿勢もあります 。

今後の展望

項目ポジティブ要因チャレンジ
インフラ整備BRICS Pay運営拡大、CBDC展開進展技術的・法制度上の複雑性
通貨多極化e-CNY, デジタルルーブル等の導入ドル圧倒的優位を崩せるか
地政学的影響制裁回避、金融安全保障米の対抗措置、内部の不一致

BRICS PayやCBDCは着実に進行しており、数年以内にはBRICS圏内での決済選択肢が拡充される可能性があります。ただし、世界取引や金融統合の主流であるドルに代わるには、信頼性・安定性・流動性が不可欠。BRICS内外の支持と制度面の信任が鍵となるでしょう。

影響が予想されるコイン一覧

コイン名影響度理由
Bitcoin(BTC)★★★☆☆グローバルな「非ドル資産」としての価値保存需要が高まる可能性。BRICS諸国の脱ドル姿勢が投資需要を刺激。
Ethereum(ETH)★★☆☆☆ブロックチェーン技術基盤として活用される可能性はあるが、BRICSのCBDCや政府主導のプラットフォームとは方向性が異なる。
Ripple(XRP)★★★★☆既に国際送金ネットワークとしての機能を持つ。BRICS圏でのクロスボーダー決済インフラ構築に類似技術が使われる可能性。実需面で期待。
Stellar(XLM)★★★★☆リップルに類似し、開発途上国向け送金網に強み。アフリカや南アジアにおける地域通貨決済との連携余地あり。
Toncoin(TON)★★★☆☆ロシアに縁のあるブロックチェーンで、国家政策との親和性が高い可能性。ローカル決済インフラへの採用観測も。
BRICS関連ステーブルコイン(将来の仮想通貨)★★★★★現在は未発行だが、BRICS共通通貨や地域ステーブルコインが発行されればドル建てステーブルに対抗し得る。今後の焦点。
Chainlink(LINK)★★★☆☆CBDCや複数通貨間のオラクル機能が必要となる中、価格情報や相互運用性提供で間接的恩恵。

考察

BRICS諸国による脱ドル戦略は、「ドル支配を覆す大胆な試み」として構想されたBRICS PayやCBDC導入の実践的ステージへ移行しつつあります。ロシア・中国を軸に、国際決済インフラの多極化と制裁リスク回避が進展しているのは明白です。

ただし、ドルの地位を根底から揺るがすには、以下の要素が必要になってきます。

  1. 制度的信頼性:為替や金融システムにおけるドルの圧倒的な信頼を超える持続可能な枠組み。
  2. 流動性の確保:BRICS圏外との取引でもスムーズに機能する流動性ネットワーク構築。
  3. 地域内合意:経済構造や制裁方針で分断しがちなBRICSメンバーの足並みを揃える協調。

現状は「脱ドルへの方向性が具体化し始めた」と評価すべきですが、成功するか否かはまだ予断を許しません。個人的には、BRICS Payの進展がかつてないほどスムーズに進んでいる点に注目しており、今後はBRICS圏外との接続方法や規模拡大戦略がカギを握ると見ています。

BRICSの取り組みは、冷戦後のドル中心通貨体系に初めて挑む具現化された動きかもしれません。世界経済の多極化に向けた一歩としては意味深く、今後5年以内にどこまで浸透し得るかが試金石でしょう。ただ、その先には多層的なガバナンス対応と各国間の信頼構築こそが最大のハードルだと感じます。米ドルの持つ歴史的〜制度的優位を凌駕できるかどうか、引き続き注視が必要とされます。

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