Contents
Baseがネイティブ・トークンの発行を初めて公式に「検討中」と認めた点
→ これまでの「トークンを発行しない方針」からの転換であり、戦略変更の意図がある。
分散性の強化やエコシステム拡大など、発行の目的が明確に示されている点
→ 単なる資金調達ではなく、ネットワークの自律性や持続可能性を志向している。
発行時期・設計・配布方法などの詳細は未定であり、まだ検討段階である点
→ 市場が過度に期待する前に、現状のステータスを冷静に理解する必要がある。
規制面の課題と米国企業ならではの慎重な対応が求められる点
→ 特にSECの動向次第では、実現が遅れる、あるいは制限される可能性がある。
今後の展開として、ユーティリティ型トークンと段階的導入が予想される点
→ ガバナンスや報酬設計を通じたトークン活用がメインになると考えられる。
Base、ネイティブ・トークン発行の検討を開始
Coinbaseが支援するLayer 2(L2)ブロックチェーン「Base」が、これまでの方針を転換し、ネイティブ・トークンの発行を検討していることが明らかになりました。これはBaseの設立当初の姿勢からの大きな転換であり、Web3.0業界内外から注目を集めています。
発言の背景と現状
Baseの開発責任者であるJesse Pollak氏が、サンフランシスコで開催されたイベント「Base Camp」にて、Baseが独自トークンの発行を「探っている」と発言しました。これは、トークン発行の可能性を公式に認めた初のケースとなります。
Baseは2023年のローンチ時点では、「ガス代はETHで支払い、独自トークンの発行は計画していない」としていました。そのため、今回の動きは、これまでの設計思想からの大きな方向転換と捉えることができます。
現時点では、トークンの発行時期や設計、配布方法、ガバナンス構造などの詳細は明かされておらず、あくまでも「検討段階」にあるとされています。
トークン発行の目的
Baseが独自トークンの発行を検討する背景には、以下のような目的があると見られます。
分散性の強化
現在のBaseネットワークはCoinbase主導で運営されている色合いが強く、分散型ブロックチェーンとしての完全な自律性は確立されていません。ネイティブ・トークンを通じたガバナンス機構の導入は、ネットワークの意思決定をコミュニティ主導にシフトさせるための鍵となります。
エコシステム拡大とコミュニティ育成
トークンが導入されることで、開発者やクリエイター、ユーザーへの報酬設計が可能になります。これにより、エコシステムへの参加意欲が高まり、より活発なオンチェーン経済の形成が期待されます。
マーケティング・ネットワーク効果
近年、L2ネットワークがネイティブトークンを発行する際には、エアドロップを通じたユーザーの囲い込み戦略が取られることが多く見られます。Baseも同様の施策を検討する可能性があり、トークン配布が活発なオンチェーン活動を誘発する可能性があります。
Baseの現況と成長性
Baseは2023年のローンチ以降、急速に成長を続けており、2025年9月時点では、TVL(Total Value Locked)は50億ドルに到達し、Arbitrumに次ぐ規模となっています。2025年だけで見ても、17億ドル以上の資金が新たに流入しており、L2市場の中でも非常に高い注目度を維持しています。
トークン設計に関する未確定事項
トークン発行の実施にあたっては、以下のような設計課題が想定されます。
トークンの用途とユーティリティ
ガバナンス投票や手数料割引、ステーキング、開発者報酬など、トークンに付与される機能がネットワークの健全性と密接に関係します。単なる投機対象ではなく、実用性を持たせる設計が求められます。
分配方法と公平性
創業チーム、投資家、コミュニティ、開発者などへのトークン配分バランスが極めて重要です。偏った配布は、将来的な中央集権化やコミュニティの不信感を招く恐れがあります。
規制対応
米国では暗号資産が証券と判断されるリスクがあるため、トークン発行に際してはSECなどの規制機関との事前調整が不可欠です。この点が、他国のプロジェクトと比較した際の大きな制約要因となり得ます。
今後の展望
Baseがネイティブトークンを発行する可能性は、現段階ではあくまで「検討段階」であり、実行には時間がかかる見込みです。ただし、既にトークンの発行による利点が明確である以上、分散型ネットワークを志向するならば、何らかのトークン設計を導入することは避けがたい流れとも言えるでしょう。
発行が実現した場合には、初期ユーザーや開発者への報酬、インセンティブ設計を通じたエコシステム強化など、多くのプラス効果が期待されます。一方で、設計の不備や配布の偏りが将来的なトラブルの火種となるリスクもあります。
過去の類似事例との比較
ArbitrumのARBトークン発行事例
Arbitrumは、Baseと同様にEthereumのスケーリングを目的としたLayer 2ネットワークとして立ち上げられました。当初はネイティブトークンを発行せずに稼働を続けていましたが、エコシステムの拡大と共にARBトークンの発行を実施しました。
ARBは、主に次のような特徴を持つ形で発行されました。
- 初期ユーザーや貢献度の高いユーザーに対してエアドロップを実施
- エコシステム開発支援のためのファンドへの配分を実施
- トークン保有者によるガバナンス投票の仕組みを導入
- ネットワークのガス代には引き続きETHを使用
Arbitrumはトークン発行と同時にDAOによるガバナンスへ段階的に移行し、より分散的な意思決定構造を整備しました。このプロセスは、Baseが目指す分散化の方向性とよく似ています。
OptimismのOPトークンと二層ガバナンス
Optimismもまた、Baseと同様に初期段階ではトークンを持たずに運営されていましたが、のちにOPトークンを導入しました。その特徴は次のとおりです。
- 初期の利用者や開発者に対してエアドロップを実施
- Token House(トークン保有者)とCitizens’ House(公共財貢献者)という二層構造のガバナンス設計
- 公共財への報酬設計をトークンガバナンスに統合
- トークン経済の透明性を重視し、配布比率やロックアップ情報を詳細に公開
Optimismの事例では、単なるトークンによる権利分配ではなく、公共性や持続可能性を意識した設計が印象的です。Baseもトークンを発行する場合、ガバナンス設計において社会的インパクトや多様な関係者の関与をどのように取り込むかが重要となります。
類似点と相違点の整理
類似点
- いずれもトークン非保有の状態でネットワーク運営を開始し、一定の成長後に発行を検討または実施している
- ガス代には引き続きETHを利用し、トークンは主にガバナンスやエコシステム支援に活用されている
- ユーザー参加を促すため、エアドロップによるインセンティブ設計を取り入れている
相違点
- Optimismは「公共財支援」に特化した二重ガバナンスモデルを導入しており、単純なトークン保有以上のガバナンス参加を実現している
- ArbitrumはDAOへの移行を早期に進め、トークンを通じたエコシステム主導の運営へ明確に舵を切っている
- Baseはまだ検討段階にあり、具体的な設計思想や配布戦略は公開されていない
Baseにとっての示唆
過去の事例から、Baseがトークンを発行する場合には以下の点を意識することが重要です。
- 発行のタイミングを、ネットワーク利用の実績やエコシステムの成熟度に応じて慎重に決定すること
- ユーザー、開発者、コミュニティなどへの配布をバランスよく行い、公平性と透明性を確保すること
- 単なる投機対象としてではなく、実用的かつ継続的な価値を持つユーティリティトークンとして設計すること
- ガバナンス参加の在り方を柔軟に設計し、トークン保有者以外の関係者にも意思決定の機会を提供すること
- 規制環境への対応を最優先事項とし、特に米国法との整合性を保つための慎重な設計と法的整理を行うこと
これらを踏まえることで、Baseはより持続可能で参加者に信頼されるネットワークとして進化する可能性があります。過去事例の成功と課題をどのように吸収し、Base独自のアプローチへと転換していくかが今後の焦点となります。
関係者・業界からのコメントまとめ
Jesse Pollak(Baseプロトコル責任者)
Jesse Pollak氏は今回の発表に関連し、Baseがネイティブトークンの発行を検討中であることを認めています。まだ正式な決定ではなく、設計や時期、配布方式などについては慎重に検討している段階にあると述べています。
また、Baseは当初トークンなしで運営可能であったが、ネイティブトークンを発行することで「分散性をより加速させ、クリエイターや開発者に対する新たな機会を提供できる可能性がある」と述べています。
過去に行われた「Content Coin」や「Base is for everyone」などの実験については、「文脈の説明が不十分で、もう少し透明性が必要だった」と振り返りつつも、「試行錯誤が成長には必要だ」として、失敗も含めて学習の過程であるという姿勢を示しました。
Brian Armstrong(Coinbase CEO)
CoinbaseのCEOであるBrian Armstrong氏もこの件に対して言及しており、「トークン発行に関する明確な計画は現時点ではないが、コミュニティと共に透明性をもって進めていきたい」と語っています。
トークンの導入は、Baseの分散性を強化し、開発者やクリエイターに対する経済的機会の拡大につながる可能性があると評価しています。
業界関係者からの懸念と批判
Alon(Pump.fun共同創設者)
Alon氏は、Baseによるオンチェーンコンテンツやmemecoinの実験について、理念自体には賛同を示しつつも、現状のマーケット環境を踏まえた慎重な対応が必要であると指摘しています。特に、ユーザーに十分な情報が提供されないまま進行したプロジェクトは、価格の急落や混乱を招くおそれがあると警鐘を鳴らしています。
Abhishek Pawa(AP Collective CEO)
AP CollectiveのCEOであるAbhishek Pawa氏は、Baseが過去に行ったトークン実験の一部を「壊滅的だった」と評価しており、特に説明責任や事前情報開示の不足を強く批判しています。プロジェクトが透明性を欠いたまま進行した結果、ユーザーが損失を被るような状況を招いたことを問題視しています。
肯定的な見解と慎重な立場
BaseやCoinbaseの関係者は、今回のトークン発行検討を「分散化の強化」および「コミュニティ活性化」の一環として前向きに捉えており、その可能性を模索している段階にあることを強調しています。
一方で、過去のオンチェーン実験が引き起こした混乱や透明性の問題については、複数の業界関係者が批判的な視点を持っています。特に、一般ユーザーや初期投資者への説明不足が、信頼性の低下や市場の不安定化につながった点を懸念する声が目立っています。
このように、トークン発行に対する期待と懸念が入り混じる中で、Baseがどのような方針と設計思想のもとで実行に移すのか、今後の動向が注目されます。
想定される影響銘柄と変動要因の整理
| 銘柄(シンボル) | 影響度 | 主な理由 |
|---|---|---|
| Ethereum(ETH) | 高 | BaseはEthereum上に構築されたL2であり、ガス代もETHで支払われている。トークン発行によりBase利用が加速すれば、ETHの需要が増加する可能性がある。逆に、Baseが将来的にガス支払いをトークンに切り替えるような展開になれば、一時的な売圧材料になる可能性もある。 |
| Coinbase株(COIN) | 中〜高 | Baseのトークン発行によりCoinbaseの収益モデルに変化が生じる可能性があり、同社の評価に影響を与える。収益性の向上が期待されれば株価にプラス材料となり得る。トークン設計により、既存の金融商品との位置づけにも影響が出る可能性がある。 |
| Optimism(OP) | 中 | 同じくL2ネットワークとして競合関係にある。Baseがトークンを導入し、ユーザーへの還元を強化すれば、L2間の資金移動が発生し、OP価格にも影響を及ぼす可能性がある。逆に、L2エコシステム全体の注目が高まれば連れ高もあり得る。 |
| Arbitrum(ARB) | 中 | OPと同様、競合L2として資金流入の競争が発生する可能性がある。Baseトークン発行による注目は、ARBにも波及的に影響する可能性があるが、逆に流動性の分散要因にもなり得る。 |
| Base関連memecoin(TURBOなど) | 高 | Base上で発行・取引されているミーム系トークンは、トークン発行の話題に強く反応する傾向がある。エアドロップ期待やネットワーク活性化により、短期的な資金流入・価格急騰が起こる可能性が高い。 |
| LayerZero(ZRO) | 低〜中 | Baseとの技術連携が強化される場合、クロスチェーン通信やブリッジのニーズが高まる可能性があるが、現時点での直接的関係は限定的であるため、影響度は低め。 |
関連コイン・株銘柄の価格と出来高の直近推移
Ethereum(ETH)
現在の価格と動き
- 価格はおよそ4,500〜4,520ドルのレンジで推移しています
- 直近24時間では約2.3%の下落となっており、短期的にはやや調整傾向が見られます
- 1週間の推移を見ると、約5%の上昇を記録しており、中期的には上昇基調が継続しています
出来高と市場の関心
- 24時間の取引高はおよそ30〜40億ドルの水準にあります
- 出来高は引き続き高水準で、マーケット参加者の注目は継続しています
- テクニカル的には、4,200ドル前後がサポートライン、5,000ドルがレジスタンスとして意識されています
Coinbase 株(COIN)
現在の価格と動き
- ニュース発表直後に一時的に上昇したものの、現在は横ばいからやや下落傾向となっています
- 市場はトークン発行によるCoinbaseの収益モデル変化に注目しており、ニュースが企業価値にどのように反映されるか見極め中です
出来高と投資家動向
- 出来高には大きな急変は見られていないものの、先週比で増加傾向にあります
- 投資家の間では「トークン発行による取引需要の拡大がCoinbaseの中長期的な収益に貢献する」との見方と、「規制リスクの高まり」を懸念する見方が拮抗しています
Arbitrum(ARB)
現在の価格と動き
- 価格は1.00〜1.05ドル付近を推移しており、ニュースに対する目立った反応は限定的です
- Baseのトークン発行による競合関係の強化を懸念する声もありますが、短期的な資金流出は確認されていません
出来高と市場の反応
- 出来高はやや増加傾向にあります
- Baseとの競合による直接的な影響は限定的で、今後のトークン設計次第ではエコシステム全体の底上げも期待されます
Optimism(OP)
現在の価格と動き
- OPは現在1.8ドル前後を推移しており、1週間でやや上昇しています
- Baseとの比較や市場での再評価により、一部で買いが入りやすい状況となっています
出来高と投資家動向
- 出来高は安定しており、特に大口投資家からの売買は目立っていません
- Baseが同様の成長戦略をとることで、Optimismのガバナンスモデルが見直される可能性も指摘されています
Base関連のmemecoin(例:TURBOなど)
現在の価格と動き
- 一部のBase上で発行されているmemecoinは、ニュース発表後に価格が短期急騰する場面が見られました
- ただし、すぐに反落するなど、ボラティリティの高さが目立ちます
出来高と注意点
- 出来高は一時的に急増したものの、すでに落ち着きを取り戻している銘柄もあります
- トークン発行に関連したエアドロップ期待などから投機的な資金が流入する傾向があり、注意が必要です
このように、Baseのトークン発行検討は、直接・間接的に複数の銘柄に影響を及ぼしています。短期的な価格変動よりも、中長期的にエコシステムの成長性やユーティリティの明確化が市場にどのように評価されていくかが、今後の鍵となるでしょう。
考察
Baseがネイティブトークンの発行を検討するという動きは、極めて戦略的な転換であると捉えています。特に、TVLやユーザー数で一定の成功を収めた現在のタイミングで、「分散化」という理想を掲げ、ユーザー主導型のネットワークへの移行を模索する姿勢は好感が持てます。
ただし、ネイティブトークンの設計はそのネットワークの未来を大きく左右します。インセンティブが短期的な利益に偏ると、価格の乱高下やコミュニティの分裂を引き起こしかねません。その意味で、単なるマーケティング施策ではなく、長期的なネットワークビジョンに基づいた設計が求められます。
また、米国企業が規制を意識しながらトークン発行を行う難しさは依然として残ります。特にBaseはCoinbaseという公開企業に支援されている以上、透明性と法令遵守が極めて重要になります。
今後の展開としては、まずはガバナンス参加やステーキング、報酬制度などを中心としたユーティリティ型トークンを構想し、段階的な導入を目指す可能性が高いと考えています。エアドロップを伴う形で、エコシステム初期参加者に対してリワードが提供されると、市場からの期待値はさらに高まるでしょう。
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