Coinbaseの転換社債発行規模と条件
総額26億ドル(約3,000億円)規模、ゼロクーポン、転換プレミアム(52.5%/32.5%)の詳細。
資金使途とキャップド・コールの目的
希薄化防止策としてのキャップド・コール費用1.94億ドルの支出、および残余資金の運用方針。
市場反応と株価の下落要因
発表後の株価5~6%下落と、投資家心理(収益未達・希薄化懸念)の影響。
関連銘柄(BTC・ETH・USDC・BASEなど)への波及可能性
Coinbase事業強化による市場流動性・L2利用促進・USDC需要増などの連鎖的影響。
中長期的な投資視点と株式転換リスク
株価が転換価格を超えた場合の希薄化と、バランスシート強化による長期的な成長期待。
発表内容
- Coinbaseは2025年8月5日付で、2029年と2032年それぞれ満期の転換社債(Convertible Senior Notes)を、合計で24億ドル(約3,000億円)規模で発行する計画を発表しました。
- 初回は20億ドル(各年1,000百万ドルずつ)、さらにそれぞれ最大3億ドル(合わせて6億ドル)の追加発行オプションが設定されています。
- 最終的な発行額は26億ドル(約2.96 Bドル)になり得るとされ、発行価格の確定および追加オプションの行使による調整後の規模となります。
転換社債の条件と目的
- 利率は0%のゼロクーポン。利息は支払われません。
- 2029年債券は1,000ドルあたり2.2005株に転換可能(転換価格:約454.44ドル)で、発表時の株価(約297.99ドル)に対して52.5%プレミアム。
- 2032年債券は1,000ドルあたり2.5327株に転換(転換価格:約394.84ドル)で、32.5%プレミアムと設定されています。
- 2032年債のみ、2029年以降の条件下で指定価格を超える株価が20営業日以上続いた場合にコインベースが償還可能な条項あり。
資金使途と市場反応
- 約1.944億ドルはキャップド・コール取引の費用に充当。これは株式希薄化リスクを軽減するためのヘッジ手段です。
- 残余資金は、運転資本、設備投資、可能な買収、既存株式や社債の買戻しなど一般目的に使用されます。
- 発表後、Coinbase株は約5〜6%下落。市場は増資による希薄化への懸念と、同社の第2四半期決算が予想を下回った事実を受け、慎重姿勢を示しました。
影響が想定されるコインとその理由
| コイン名 | 影響度(高・中・低) | 影響理由 |
|---|---|---|
| Bitcoin (BTC) | 中 | CoinbaseはBTC取引の主要ハブの1つ。資金調達による事業基盤強化が、BTC市場全体の流動性向上や取引需要増につながる可能性がある。 |
| Ethereum (ETH) | 中 | Coinbaseの収益の多くはETHおよびERC-20トークン取引に依存。プラットフォーム強化がステーキング需要やDeFi利用拡大を後押しする可能性あり。 |
| Coinbase Token (COIN株と連動する認識で擬似的に意識される銘柄例) | 高 | 株価と連動して心理的影響を受けるため、Coinbase関連のトークン(例:BASEエコシステム上のトークン)が注目される。 |
| BASEチェーン関連トークン | 中 | CoinbaseのL2ネットワーク「BASE」上のプロジェクトトークンは、事業拡大やユーザー流入の間接的恩恵を受ける可能性がある。 |
| USDC(USD Coin) | 高 | CoinbaseはUSDCの主要発行者Circleと提携しており、バランスシート強化がUSDCの取引・利用促進に直結する可能性が高い。 |
| 他の取引所系トークン(例:BNB, OKB) | 低 | Coinbaseの資金調達が成功すれば、取引所トークン市場における競争意識が高まり、他取引所のトークンにも限定的ながら波及が想定される。 |
補足
BTCとETHは市場全体のセンチメント連動が大きく、今回のニュースは直接的というよりもプラットフォーム強化を通じた間接的影響が中心。
特にUSDCとBASE関連トークンは、Coinbaseの事業戦略と直結しているため、中長期的に強い影響を受けやすい。
考察
Coinbaseが金利負担ゼロの転換社債を選んだのは、低金利環境下で資本コストを抑えつつ、株価が中長期で上昇することを見越した柔軟な資金調達手段と判断されたのでしょう。特に52.5%や32.5%の転換プレミアムは、発行株式の希薄化を抑える設計であり、既存株主への配慮も見えます。
一方で最近の収益ミスや市場の不安心理を受けて、投資家は慎重な姿勢を取り、株価は利確売りが先行した印象です。
今後、株価が転換価格を大幅に上回って推移すれば、実際の株式転換による資本拡大が現実味を帯びます。その際、ヘッジ目的のキャップド・コールのパフォーマンスや、実際の転換比率にも関心が集まるでしょう。
Coinbaseのバランスシートや暗号資産市場の構造変化が、今後の株価動向にどのように影響するのか引き続き注目です。
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