Contents
Fireblocksが新たにローンチしたのは、ステーブルコイン決済に特化した企業向けネットワーク「Fireblocks Network for Payments」
→ 既存のトレーディングネットワークを拡張し、決済用途に最適化。
統一APIとコンプライアンス機能を内蔵したインフラで、企業の導入コストと時間を大幅に削減可能
→ AML、KYT、トラベルルールなどへの対応がトランザクションレベルで組み込まれている点が特徴。
すでに40以上の企業が参加、100か国以上・60通貨に対応済みでグローバル展開を強化
→ Circle、Bridge、Zerohashなど主要プロバイダーが参画。
市場全体としてステーブルコインの国際送金ニーズが高まり、競合も増加(例:StripeのTempo、CircleのCCTP)
→ Fireblocksはその中で「インフラ提供者」としての立ち位置を確保。
今後の課題は、さらなる対応国・通貨の拡大、他プロトコルとの相互運用性、規制変化への迅速な適応
→ 成長のカギはユースケースの拡張と、法制度への柔軟性にある。
仮想通貨インフラ大手Fireblocks、ステーブルコイン決済ネットワークをローンチ
Fireblocks Network for Paymentsの概要
暗号資産インフラの大手企業であるFireblocksは、2025年9月に新たな企業向けステーブルコイン決済ネットワーク「Fireblocks Network for Payments」を正式にローンチしました。このネットワークは既に40以上の企業が参加しており、100か国以上で利用可能なグローバル決済基盤として機能します。
このネットワークは、Fireblocksが提供してきた仮想通貨トレーディング向けネットワークをベースに、ステーブルコインの送金・決済に特化して拡張されたものです。
ローンチの背景と目的
従来、企業がステーブルコインを活用するためには、複数のウォレット管理、ブロックチェーンとの連携、コンプライアンス対応といった課題が存在していました。Fireblocksはこれらの障壁を取り除くため、統一APIとコンプライアンス機能を統合した専用ネットワークの提供を決定しました。
このネットワークでは、ブロックチェーン間や法定通貨を横断した決済を数日以内に統合可能にする仕組みが用意されており、企業の導入スピードを大幅に高めることが可能です。
主な特徴と機能
統一APIによる送金・決済の簡素化
Fireblocks Network for Paymentsでは、複数の決済プロバイダーやブロックチェーンを横断して処理できる統一APIを提供しています。これにより、開発者は一つのインターフェースでUSDCなどのステーブルコインを用いた送金や支払いを実装できます。
コンプライアンス機能の内蔵
AML(マネーロンダリング対策)、KYT(Know Your Transaction)、制裁チェック、トラベルルールなどの規制要件が、トランザクション層にあらかじめ組み込まれています。これにより、各国の法規制に準拠した形での送金・決済が実現できます。
柔軟なグローバル展開
対応通貨は60以上、対応地域は100か国以上に及びます。既存の決済ネットワークと比較して、初期設定・統合までにかかる時間が大幅に短縮され、より迅速な国際展開が可能となっています。
参加企業とパートナーシップ
Fireblocks Network for Paymentsには、既に40以上の企業が参加しています。
代表的な参加企業は以下の通りです。
- ステーブルコイン発行元:Circle(USDCの発行)
- 決済インフラ:Bridge、Yellow Card、Zerohash
- その他:Banxa、B2C2、Conduit、dLocal、GSR、OpenPayd、Paxos、Transak、Zodia Marketsなど
これらの企業との連携により、各種金融機関や決済プロバイダーがスムーズにFireblocksのネットワークに接続できるようになっています。
ステーブルコイン市場と競争環境
ステーブルコインは、近年グローバルな金融インフラとしての役割が注目されており、特にクロスボーダー決済やWeb3エコノミーとの連携において不可欠な存在となっています。
こうした中、Fireblocksの新ネットワークは、Stripeが開発中のTempoレイヤー1ブロックチェーンや、CircleによるCCTP(Cross-Chain Transfer Protocol)などのソリューションと競合・連携するポジションに位置しています。
今後の展望と課題
Fireblocks Network for Paymentsは、ステーブルコインを活用した国際決済のインフラとして、大きな可能性を秘めています。しかし、今後の成長と普及には以下のような要素が鍵となるでしょう。
対応通貨・国の拡大
現時点で60通貨・100か国以上に対応しているものの、より多くの法定通貨やローカル決済プロバイダーとの接続が求められます。
他プラットフォームとの相互運用性
CCTPやTempoなどのプロトコルとの連携、あるいは相互接続の標準化によって、業界全体での利便性向上が期待されます。
規制変化への柔軟な対応
今後、各国でステーブルコインに関する規制が急速に整備されることが予想されます。こうした法的要件の変化に迅速に対応することが、企業導入の決定要因となります。
このニュースの過去の類似事例との比較
StripeのTempoによる独自ブロックチェーン構築
決済大手Stripeは、Tempoという独自のレイヤー1ブロックチェーンを開発し、ステーブルコインによる国際送金を効率化することを目指しています。Tempoは独自ネットワーク上で決済処理を完結させる構造を採用しており、エンド・ツー・エンドでStripeの支配下に置かれたインフラとなっています。
一方、Fireblocksのネットワークは、既存の複数ブロックチェーンや決済プロバイダーを接続する統合API型のアプローチであり、独自チェーンを持たず、マルチネットワーク運用に優れています。
VisaおよびMastercardのステーブルコイン統合戦略
VisaとMastercardは、近年ステーブルコインを自社の決済ネットワークに組み込む取り組みを進めています。VisaはUSDCなどを用いた支払いを一部試験導入しており、Mastercardは複数のステーブルコインとの接続性を強化し、加盟店での即時決済を可能にする技術を開発しています。
これらは既存の決済ネットワークを軸にした展開であり、Fireblocksが目指す「企業間決済・送金における専用ネットワーク構築」とはアプローチが異なります。ただし、最終的に同様のユースケースを狙っており、競合関係になる可能性があります。
金融機関・フィンテック企業による独自ステーブルコイン構想
近年、複数の銀行やフィンテック企業が自社のステーブルコインやトークン発行を通じて国際決済や資産運用への活用を試みています。PayPalがローンチした「PayPal USD(PYUSD)」や、Revolutが構築中の決済用デジタル通貨などが代表的な事例です。
これらのプロジェクトは「ステーブルコイン発行そのもの」が主軸となっている点で、Fireblocksが構築する「インフラレイヤー」とは位置づけが異なります。ただし、Fireblocksはこうした発行体と接続するハブとしての役割を担っており、両者は補完関係にあるとも言えます。
ワイオミング州発行の州立ステーブルコイン「FRNT」
アメリカ・ワイオミング州では、2024年に「FRNT(Frontier Dollar)」という州政府主導のステーブルコインが発行されました。このプロジェクトでは、Fireblocksのセキュアなウォレット技術や決済インフラが導入され、設計から本番稼働まで3か月以内で実装されています。
この事例は、公共セクターにおいてもFireblocksの技術が採用されうることを示す好例であり、今後他の政府系機関や中央銀行デジタル通貨(CBDC)プロジェクトに波及する可能性もあります。
Web3企業Rainによるステーブルコイン対応Visaカード
Web3決済スタートアップのRainは、ステーブルコインと連動したVisaカードを発行し、SolanaやTron、Stellarなど複数のブロックチェーンに対応するマルチチェーン決済基盤を構築しています。この取り組みは、エンドユーザー向け決済体験の最適化を目的としており、コンシューマー向けに重点を置いたモデルです。
Fireblocksは、Rainのような企業にもインフラ提供を行っており、B2B領域とB2C領域の橋渡しとしても機能しています。
まとめ:アプローチの比較と位置づけの違い
| 事例 | 主な特徴 | Fireblocksとの比較 |
|---|---|---|
| Stripe Tempo | 独自チェーンでの決済処理完結 | 独立型インフラ vs マルチネットワーク型 |
| Visa/Mastercard | 既存決済網にステーブルコインを統合 | 従来インフラ活用 vs 新ネットワーク構築 |
| 銀行・フィンテック | 自社通貨・トークンの発行による展開 | 発行者主体 vs インフラ提供者 |
| ワイオミング州(FRNT) | 公共部門の高速導入事例 | Fireblocks技術が行政レベルでも採用 |
| Rain(Web3カード企業) | コンシューマー向けマルチチェーン対応カード | B2C決済のフロントとB2B基盤の組み合わせ |
このように、過去の類似事例には独自チェーンの構築型、既存ネットワークの拡張型、公共・金融機関主導型などさまざまなアプローチが見られます。FireblocksのようにAPIベースで多様なプロバイダーを統合し、マルチチェーン対応とコンプライアンスを同時に実現するモデルは、スケーラビリティと汎用性の点で非常に戦略的な立ち位置にあると言えるでしょう。
このニュースへの反応
Fireblocks関係者のコメント
Michael Shaulov(CEO/共同創業者)
FireblocksのCEOであるMichael Shaulov氏は、今回のネットワークローンチについて「ステーブルコイン決済が実験フェーズからプロダクションフェーズへと移行したことを象徴する」と述べています。すでにFireblocks上では月間2,000億ドル以上の取引が処理されており、企業が実際のビジネス用途としてステーブルコインを活用し始めている現状を強調しています。
また、既存のステーブルコイン活用には、統合の複雑さ、断片化された流動性、コンプライアンスの課題などが存在すると指摘し、それらの課題を一つのAPIで解決できる点がFireblocks Network for Paymentsの最大の強みであると説明しています。
Ran Goldi(支払い・ネットワーク部門SVP)
支払いとネットワークを統括するRan Goldi氏は、「今回のネットワークは、プログラマブルでリアルタイム、かつコンプライアンスに対応した資金移動を実現する」と語っています。特に相互運用性に焦点を当て、既存の金融機関やWeb3企業が迅速にグローバル市場でステーブルコイン決済を展開できるよう設計されていると述べています。
メディアによる評価
CoinDeskの報道
CoinDeskはこの新ネットワークを「ステーブルコイン版SWIFT」と形容し、複雑で非効率な既存の国際送金に対して、より安全かつ迅速な代替手段を提示するものとして高く評価しています。また、金融機関とWeb3の橋渡しを実現するハイブリッドなインフラと位置づけています。
CoinTelegraphの分析
CoinTelegraphは、今回の発表を「グローバルなステーブルコイン決済レール競争の激化」として報道しています。特にStripeのTempoやCircleのCCTPとの競合関係を背景に、Fireblocksが「相互運用性」と「即時性」で一歩リードしていると分析しています。
Binance NewsやFortuneなどの報道
複数の業界メディアでは、すでに40社以上が参加し、100か国以上に対応しているという実績が強調されています。また、月間2,000億ドルという取引規模は、このネットワークが既に実用段階にあることを示すものとして高く評価されています。
総評
今回の発表に対する業界の反応はおおむね好意的であり、特に次のような点が注目されています。
- ステーブルコイン決済が実証実験レベルを超えて、商用・実務レベルに入ったという認識の広がり
- 相互運用性とコンプライアンスを両立するインフラとしての完成度
- 既存のSWIFTなどに代わる次世代型決済レールとしてのポテンシャル
また、Fireblocks自体が単なるインフラプロバイダーではなく、今後のWeb3経済圏を支える「統合的な決済基盤」としての地位を築きつつある点も、多くのメディアが評価しています。
このニュースを受けて変動する可能性があるコイン
| コイン名 | 影響度 | 理由 |
|---|---|---|
| USDC(USD Coin) | 高 | Fireblocksのネットワークで最も利用されているステーブルコインの一つであり、Circleも主要パートナーとして参加しているため、取引量の増加や実需拡大が期待されます。 |
| PYUSD(PayPal USD) | 中 | Fireblocksは他のステーブルコイン発行企業とも連携しており、今後ネットワーク内での対応が進めば、決済用途としての価値が高まる可能性があります。 |
| PAX(Pax Dollar) | 中 | Paxosがネットワーク参加企業の一つであり、商用取引でのステーブルコイン活用拡大に伴い、利用ケースの増加が想定されます。 |
| ETH(イーサリアム) | 中 | 多くのステーブルコインがEthereumベースで発行されているため、ステーブルコイン取引量の増加により、ネットワーク使用量や手数料需要が増加する可能性があります。 |
| TRX(トロン) | 低〜中 | 一部Fireblocks対応プロバイダーがTronネットワークもサポートしているため、USDTなどを通じて影響を受ける可能性がありますが、直接的な関与は限定的です。 |
| XLM(ステラルーメン) | 低 | ステーブルコイン決済に特化したネットワークとの相性が良く、一部の決済パートナー企業がStellarネットワークに対応しているものの、Fireblocksの主導ではないため影響は限定的です。 |
表まとめ:直近推移と分析
| コイン名 | 現在価格 | 前日比変動 | 直近動向のポイント |
|---|---|---|---|
| USDC(Fantom版) | 約 0.050903 USD | 微増(+0.00968 %) | 安定した価格帯での取引が継続しています。 |
| ETH(イーサリアム) | 約 4 389.69 USD | 上昇(+0.47 %) | ステーブルコイン関連の需要増を受けて、若干の上昇を確認しています。 |
| PYUSD(PayPal USD) | 約 0.999616 USD | 微減(−0.013 %) | 安定性維持。変動幅はごくわずかです。 |
考察
- USDC(Fantom版):依然としてステーブルコインとしての役割を果たしており、ほとんど価格変動がない点が特徴です。今回のニュースへの直接的な価格反応は現時点では限定的なようです。
- ETH(イーサリアム):ステーブルコインの多くがイーサリアムベースで発行されることから、Fireblocksのネットワークローンチによって決済や送金のインフラ利用が増える可能性があり、その需要感から若干の上昇が見られます。
- PYUSD(PayPal USD):こちらもステーブルコインであるため安定した動きを示しており、特に大きな反応は見られませんが、市場での認知度が高まれば影響が出る可能性もあります。
まとめ
Fireblocks Network for Payments の発表により、ステーブルコインの利用は今後増加する可能性がありますが、直近の価格・出来高に即時的な大きな変動は見られませんでした。特にUSDペッグのステーブルコイン(USDC, PYUSD)は安定性を維持しつつ、ETH は関連需要の高まりを受けてわずかな上昇を示しています。
考察
Fireblocksによるこのネットワークのローンチは、単なるテクノロジー提供にとどまらず、ステーブルコインを主軸としたグローバル金融インフラの標準化に向けた重要な一歩と言えます。従来の国際送金の仕組みと比べて、スピード、コスト、透明性、そして規制対応の面で明確な優位性を持っています。
また、既に多くの有力企業が参加していることからも、市場からの期待の高さがうかがえます。今後、企業間決済や金融サービスの領域において、ステーブルコインの活用がより日常化していく中で、Fireblocksのこのネットワークが重要な基盤となる可能性は非常に高いです。
今後は、競合サービスとの機能比較や、どのようなユースケースが最も多く採用されるのかを注視していく必要があります。とりわけ、新興国市場やクロスボーダー決済が多い分野での利用が拡大すれば、業界全体にとっても大きな転換点になるかもしれません。
仮想通貨イーサリアム(Ethereum/ETH)の購入について
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メタマスクの導入についてはこちらの記事を参考にしてください!
【初心者向け】メタマスク(MetaMask)とは?導入方法図解解説!
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