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証拠金率を考慮した「現物ロング+1倍ショート」戦略は稼げるのか?
仮想通貨市場では、現物取引とデリバティブ取引を組み合わせたさまざまな戦略が存在します。今回はその中でも、現物を購入しつつ、同じ数量を1倍のレバレッジ(=ノンレバ)でショートするという、いわゆるデルタニュートラル戦略について掘り下げて解説します。
戦略の概要:現物+1倍ショートとは?
この戦略は以下の構造になっています。
| ポジション | 内容 |
|---|---|
| ロング | BTCやETHなどの現物を購入(100%) |
| ショート | 同じ数量の仮想通貨を、1倍レバレッジで空売り(証拠金を担保に) |
これにより、価格変動に対する純粋なポジションリスク(=価格が上下しても損益がゼロに近い)を排除し、他の要因で利益を得ることを目指します。
この戦略で得られる利益の仕組み
- ファンディングレート差による収益
- 多くの仮想通貨取引所では、ロングとショートのバランスを保つために**ファンディングレート(資金調達料)**が設定されています。
- ロングが多い場合はショートに報酬が支払われることがあり、この戦略ではショート側に立っているため、継続的にファンディングを受け取れる可能性があります。
- ステーキング・レンディング報酬
- 保有する現物をDeFiやCEXでステーキングやレンディングに回すことで、追加収益を得ることが可能です。
- 市場の歪み(裁定機会)
- 価格乖離を利用して、現物と先物・無期限契約間の裁定(アービトラージ)で収益を得る場合もあります。
リスク要因
- ファンディングレートの変動
- 市場の状況が変わると、逆にファンディング支払い側になることもあります。
- 証拠金管理のミス
- 1倍とはいえ、ショートポジションは証拠金に依存します。現物価格が大きく変動した場合、証拠金が不足しロスカットされるリスクがあります。
- 現物の流動性や保管リスク
- ステーキングやレンディングに回した資産がロックされる、あるいはハッキングリスクがあるなど、間接的なリスクも存在します。
- 取引手数料・スプレッド
- 高頻度でリバランスが必要な場合、手数料やスプレッドが累積して実質利益を削ることもあります。
シミュレーション例(参考)
| 条件 | 内容 |
|---|---|
| 資金総額 | 10,000 USDT |
| 現物購入額 | 10,000 USDT(例:BTC) |
| 1倍ショート | -10,000 USDT相当のBTC(証拠金10,000USDT使用) |
| ファンディングレート | 年利5%(ショートが受け取る) |
| 年間収益(理論値) | 約500 USDT(+レンディング収益) |
※ 価格変動による含み損益はゼロに近く、デルタリスクなし。
メリット
- 市場の上下に関係なく、収益を狙える
- リスクを抑えたポジション構築が可能
- ステーブルにファンディングやレンディング報酬を得やすい
デメリット
- レンディング利回りやファンディングレートが低下すると収益性が悪化
- 証拠金維持管理が必須(=ある程度の知識と注意が必要)
- システムエラーや取引所リスクへの依存が大きい
考察:この戦略は「運用型」では有効だが「稼ぐ型」には限界も
この現物+1倍ショート戦略は、マーケットニュートラル(市場の動きに左右されない)なアプローチとして非常に有効です。特に、ボラティリティが高く、ファンディングが偏りやすい仮想通貨市場では、年間利回り数%〜10%前後を安定的に狙える可能性もあります。
ただし、あくまでこれは低リスク・低リターン型の運用戦略であり、「稼ぐ」ことを目的とする場合には、資金効率が悪くなりがちです。
また、相場が大きく変動する局面では、ポジション維持自体が難しくなるケースもあるため、常時のリスクモニタリングや自動化対応(Bot運用など)が必要です。
結論
この戦略は以下のような目的に適しています:
- 大きくリスクを取らずに、仮想通貨市場に資金を置きたい人
- 安定収益を目指すファンド型運用
- ファンディングレートやアービトラージに敏感に対応できる中級者以上のトレーダー
しかし「大きく稼ぎたい」「短期で倍にしたい」といった目的には向かず、あくまで安定運用の一手段として位置づけるのが良いでしょう。
実際に試算してみた!
資金調達料(ファンディングレート)0.01%を1日3回受け取れる場合、複利を考慮したAPR(年利換算)を計算すると、以下のようになります。
計算条件
- ファンディングレート:0.01%(=0.0001)
- 回数:1日3回 → 年間 3 × 365 = 1,095回
- 複利で回す(再投資し続ける)前提
- APR(Annual Percentage Rate)ではなく、APY(Annual Percentage Yield)=実質年利を複利で算出
計算式(複利)
APY=(1+rate)n−1\text{APY} = \left(1 + \text{rate}\right)^{n} – 1APY=(1+rate)n−1
ここで:
- rate = 0.0001(1回あたりの利率)
- n = 1,095(年間回数)
APY=(1+0.0001)1095−1\text{APY} = \left(1 + 0.0001\right)^{1095} – 1APY=(1+0.0001)1095−1
実際の計算
APY≒(1.0001)1095−1≒1.1157−1=0.1157\text{APY} ≒ (1.0001)^{1095} – 1 ≒ 1.1157 – 1 = 0.1157APY≒(1.0001)1095−1≒1.1157−1=0.1157
結論
約11.57%のAPY(実質年利)
つまり、
0.01%の資金調達料 × 1日3回のペースで1年間受け取り続けた場合、理論上の実質年利(APY)は約11.57%になります。
補足:APRとの違い
- APR(単利)で計算する場合:
0.0001×1095=0.1095=∗∗10.950.0001 \times 1095 = 0.1095 = **10.95%**0.0001×1095=0.1095=∗∗10.95
- APY(複利)では11.57%
→ 長期で見るほどAPYベースでの運用の差が大きくなります。
ステーキングと併用した場合の年利試算例!
最新ステーキング年利例(2025年8月時点)
- ETH(イーサリアム)
- Coinbase:約 1.91% APY(報酬率)
- プロトコル平均(Coincheckによる):約 3.32%
- メディア平均値:5〜20%と幅広く、取引所・通貨によって異なる
- Polkadot (DOT):約 7.8〜13.0%(国内取引所の一例)
- Cosmos (ATOM):約 6.5〜7.2%
- Avalanche (AVAX):約 5.0〜5.6%
- Solana (SOL):約 5.4〜8.1%
- その他高率銘柄:例えばATOMは過去に最高19.7% APYのケースもありました。
ステーキング併用戦略の収益構造
① デルタニュートラル戦略からの収益
- 例えば、ファンディングレートが0.01%で1日に3回(=1,095回/年)受けられる場合、複利込みで約11.57%のAPYとなります(前提:すべて再投資)
② ステーキング報酬をプラスするモデル
- ETH(Coinbase):+1.91% → 合計 約13.5%
- ETH(プロトコル平均):+3.32% → 約 14.9%
- DOT(Polkadot):+10% → 約 21.6%
- ATOM:+6.8% → 約 18.4%
- SOL:+6% → 約 17.6%
※ 数字は目安です。通貨種類や取引所によりレートは変動します。
比較まとめ表
| 通貨・条件 | ステーキング利率(年) | デルタニュートラル収益(年) | 合計年利(概算) |
|---|---|---|---|
| ETH(Coinbase) | 約 1.9% | 約 11.6% | 約 13.5% |
| ETH(プロトコル平均) | 約 3.3% | 約 11.6% | 約 14.9% |
| DOT(Polkadot) | 約 10% | 約 11.6% | 約 21.6% |
| ATOM(Cosmos) | 約 6.8% | 約 11.6% | 約 18.4% |
| SOL(Solana) | 約 6% | 約 11.6% | 約 17.6% |
考察と注意点
- リスクリターンの向上
ステーキング報酬を加えることで、デルタニュートラルの「ノーリスク」戦略にさらに収益性がプラスされ、狙いをより魅力的にできます。 - 通貨・プラットフォーム選びが重要
ステーキング利率は銘柄(例えばDOTは高利が期待できる)や取引所ごとに大きく異なります。流動性、ロック期間、プラットフォームの信用力も加味し、最適な組み合わせを選ぶ必要があります。 - 複利効果を活かすには再投資体制を整える
ステーキング報酬も含め、再投資が可能であれば複利効果が期待できます。 - 規制・税務への配慮も欠かせない
ステーキング報酬も仮想通貨の所得として課税対象になります。税制も含めた運用計画が大切です。
まとめ
- デルタニュートラル戦略(0.01% × 3回/日):約11.6%のAPY
- ステーキング併用 により、通貨次第でトータル年利15〜20%超も理論上可能です
- 通貨選択やプラットフォーム選定が収益性を大きく左右します
リスクを極力抑えつつ、穏やかに収益を積み上げたい方にとっては、非常に魅力的な複合戦略と言えるでしょう。
仮想通貨イーサリアム(Ethereum/ETH)の購入について
複数の海外取引所を併用するメリットについて
取引所毎にお得なキャンペーンが行われていたり、口座を開設して入金するだけでボーナス・ポジションが得られたり、よりハイレバレッジで先物取引を出来たりします。
その時に行われているキャンペーン次第では実質ノーリスクでトレードを楽しむことも可能です。
海外取引所によっては、直接国内取引所から送金できない取引所も存在するので、そういった場合はメタマスクのようなプライベートウォレットを利用して送金を間に挟む必要があります。
メタマスクの導入についてはこちらの記事を参考にしてください!
【初心者向け】メタマスク(MetaMask)とは?導入方法図解解説!
仮想通貨イーサリアム(Ethereum/ETH)は以下の取引所で購入出来ます!
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