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上院銀行委員会が「CLARITY法」に基づく市場構造ドラフトを発表
→ 補助資産(Ancillary Asset)や自己認証制度導入で、SECの管轄整理を目指す。
公開フィードバック(RFI)の募集開始
→ 業界関係者の意見提出期限は 2025年8月5日。規制内容の最終調整に影響する可能性あり。
下院可決済みの「CLARITY Act」との連動性
→ 下院案との条文調整や、農業委員会によるCFTC関連部分との調整が必要。
影響を受けやすいコインや分野
→ ETH、XRP、USDCなど規制明確化で恩恵がある一方、未成熟アルトは淘汰圧力増加の懸念。
今後の政治的課題
→ 民主党の支持確保とSEC・CFTC間の役割分担が焦点。年内成立の可否はこの政治プロセスに依存。
背景と立法の流れ
- 下院は2025年7月17日、「CLARITY Act」を可決し、GENIUS Act(ステーブルコイン規制法)やCBDC反監視国家法と並ぶ重大な暗号資産関連法案として進展しました。
- 同17日には、GENIUS Actも可決され、翌日の18日には大統領によって署名されました。
- 上院では、銀行委員会(Banking Committee)が主導し、下院と異なる形で“市場構造”を定義する法案が動き始めています。
上院銀行委員会のディスカッションドラフト概要
- 2025年7月22日、銀行委員会のティム・スコット議員(R-SC)、サブ委員会議長シンシア・ルーミス(R-WY)らによって発表。
- “Responsible Financial Innovation Act of 2025” として、下院CLARITY Actを拡張する形で提出されました。
- 公開フィードバック(Request for Information:RFI)を求めており、業界関係者からの意見提出期限は 2025年8月5日 まで。
主な内容と焦点
- Ancillary Asset(補助資産)”の定義
投資契約とみなされないトークンを新たに分類し、証券扱いから除外。
発行元が自己認証(self-certification)可能とし、SECによる60日以内の異議申し立ても設けています。 - SEC登録免除の上限:
過去10年間で総額7,500万ドル、または発行済総資産の10%未満であれば免除対象とする制度。 - “Investment Contract(投資契約)”の定義明確化
SECの裁量を整理し、どのデジタル資産が投資契約に該当するか線引きを強化。 - “Self‑certification”とルール策定の余地
発行企業が補助資産であることを自己証明する制度と、ルール整備のためのSECの立法権限を明記。 - 銀行持株会社の活動許可
分散型台帳技術の使用など、銀行による暗号関連活動を限定的に認める枠組み導入。 - AML・不正防止の基準強化
検査基準の設定や情報共有、マネロン対策強化を制度上明記。
上院案と下院CLARITY Actの比較
| 項目 | 下院 CLARITY Act | 上院 ディスカッションドラフト |
|---|---|---|
| 規制の枠組み | SECとCFTCの管轄を明確化し、デジタル資産を証券か商品に分類 | 上院案も同様だが、“補助資産”など新語を導入し柔軟性を拡張 |
| 投資契約の扱い | 成熟ブロックチェーンか投資契約かで分類 | 投資契約の概念を整理し、SECの適用範囲を明確化 |
| 発行免除制度 | 最大7,500万ドルまでの投資契約に対して一部登録免除あり | 補助資産向けに上限付き免除や開示要件導入 |
| 自己認証制度 | 差異あり(議論中) | “Self‑certification” を明記し、SECの反論可能な期間あり |
| 銀行の暗号対応 | 記載なし | 銀行持株会社の使用範囲を明示的に許可 |
| AML対策 | 基本的枠組みは提案済み | 検査基準・AML要件を強化、詳細化された条項あり |
今後の展望と留意点
- 民主党の支持獲得が鍵: 上院通過にはフィリバスター抑止のために、少なくとも7名の民主党支持が必要です。エリザベス・ウォーレン議員を含む一部の民主党議員は慎重姿勢を示しています。
- 農業委員会との協調が不可欠: CFTC管轄部分については、上院農業委員会が2025年9月ごろに別途ドラフトを発表する予定で、最終的には両委員会の調整が必要と見られます。
- 今後のタイムライン:
- RFIコメント締切:2025年8月5日
- 上院内の審議・議論:8月中〜初秋
- 下院・上院の条文調整、最終可決:秋以降の見通し
考察
この上院ドラフト案は、下院CLARITY Actを基盤としつつも、より柔軟かつ現実的な規制モデルを目指すものです。特に“補助資産”の定義や自己認証制度は、スタートアップや発行元にとって資金調達の柔軟性を高める可能性がある一方、投資家保護と混合しないために十分な開示と監督が不可欠です。
また、銀行持株会社への暗号技術の制度的許可は、金融大手が暗号分野へ参入する扉を開く重要な布石になるでしょう。一方で、AML要件や検査基準の整備が進めば、不正資金の流入防止や透明性向上にも寄与します。
ただし、議会内の党派的対立やSEC・CFTCの実務能力、そして国際的な規制整合性など、多くのハードルも残っています。最終的な法案の形を左右するのは、民主党の対応と規制当局との制御バランスだと考えます。
全体として、米国の暗号資産規制は現在、「CLARITY Act(下院)」→「Responsible Financial Innovation Act(上院案)」→「最終法案」という流れで着実に進展しており、2025年内の成立可能性も見えてきました。
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