Contents
USDHはHyperliquid独自のステーブルコインであり、エコシステム内での基軸資産として設計されている
→ 自社主導の金融インフラ整備の一環で、HyperEVM上にネイティブ発行。
発行権はガバナンス投票を通じてネイティブ・マーケッツが獲得した
→ 他候補を退けての選出だが、選定プロセスの公正性に対する懸念もある。
準備資産は現金および米国短期国債で構成され、資産管理にはBridgeを利用予定
→ オフチェーン資産の透明な運用が、信頼性の鍵を握る。
利回りはHYPEトークンの買い戻しやエコシステム強化に還元される設計
→ トークン経済と資金循環の最適化が意図されている。
今後の成功には信頼性確保とユースケースの拡大が不可欠
→ 流動性供給、外部との統合、規制対応など複合的な取り組みが求められる。
ハイパーリキッドのステーブルコイン「USDH」がローンチ ネイティブマーケッツが発行権獲得
USDHとは何か
Hyperliquidは、自社エコシステム内で活用できるネイティブステーブルコイン「USDH(USD Hyperliquid)」を新たにローンチしました。これは米ドルと1:1で連動することを目指して設計されたステーブルコインであり、同社の分散型取引所や関連サービス上での主要な価値基軸として期待されています。
USDHはHyperliquidが開発するスマートコントラクト実行環境「HyperEVM」上でネイティブに発行され、今後はERC-20トークンとして他のチェーンへの展開も予定されています。
発行権を巡る競争とネイティブ・マーケッツの選定
USDHの発行・管理を担うプロジェクトを選定するため、Hyperliquidのバリデーターによる提案審議と投票が行われました。発行権には複数の有力プロジェクトが立候補しており、Paxos、Frax Finance、Curve、Bitgo、Ethenaなどが競争に加わりました。
最終的に、ネイティブ・マーケッツ(Native Markets)が発行権を獲得しました。同社はUSDHの準備資産の管理、ステーブルコインのミントおよび償還プロセス、そして流通戦略を担うことになります。
選定プロセスに対する懸念の声
一部の関係者からは、発行権選定プロセスに対する疑念も表明されています。とくに、他候補プロジェクトが真剣に検討されなかった、または最初からネイティブ・マーケッツ有利に進行していた可能性があるという指摘もありました。
これらの声は、ガバナンスの透明性と分散性に対する市場の関心が高まっている現状を反映しています。今後のHyperliquidにおけるガバナンス改善への取り組みに注目が集まります。
ローンチ後の初期取引状況
USDHは9月下旬にUSDH/USDCの取引ペアとしてローンチされ、初日からおよそ200万ドル規模の流通量が確認されています。この数値はステーブルコインとしての初動としては良好とされており、今後の流動性拡大が期待されています。
また、準備資産の構成は現金および米国短期国債とされており、トークン化資産管理プラットフォーム「Bridge」を通じて保管・管理される計画です。
利回り活用によるHYPEエコシステム強化
USDHの準備金から発生する利回りは、以下のように配分される予定です。
- HYPEトークンの市場買い戻し
- Hyperliquidエコシステムの開発・支援資金への再投資
これにより、HYPEトークンの価格維持・価値向上を図ると同時に、エコシステム内での資金循環が強化される設計になっています。
今回のUSDHローンチが持つ意義と課題
ステーブルコインの内製化による主権強化
取引所・DEXが独自ステーブルコインを発行する動きは、近年増加しています。HyperliquidにとってもUSDHの発行は、外部のステーブルコイン(USDCやUSDTなど)への依存を減らし、自社の金融エコシステム内で完結できる構造を確立する大きな一歩です。
透明性と信頼の確保が最重要課題
発行権の選定過程における透明性への懸念は、今後の運営信頼性に大きく関わってきます。また、準備資産の管理と開示、外部監査体制の整備もステーブルコインとしての信頼性を左右する要因です。
とくにオフチェーン資産(現金・国債)を扱う場合、その運用状況を透明かつ定期的に開示することが、規制対応や市場評価の観点から極めて重要となります。
今後の成長には採用拡大と流動性確保が鍵
USDHが成功するためには、Hyperliquid内だけでなく、他のDeFiプロトコルやブロックチェーンとのインテグレーションを進め、ユースケースと流通量を拡大することが求められます。流動性プールの強化や、他チェーンとのブリッジ、ウォレットへの統合などが次の課題となるでしょう。
過去の類似事例との比較
Terra/UST の例:アルゴリズム型ステーブルコインの崩壊
- Terra(UST)は、アルゴリズム型モデルを採用し、裏付け資産を持たないか、流動性プールと他のトークン(LUNA 等)との自動的な交換メカニズムで調整していました。
- 2022年5月にUST はドルペッグを失い、価格が急落。その後、LUNA の価値もほぼゼロに沈み、巨額の資本流出と信用不安を引き起こしました。
- この事例は、「裏付け資産が明確でない」「需給ショックに耐えられないモデル設計」であると批判され、ステーブルコイン設計のリスクが広く認識されるきっかけになりました。
比較点:USDH は現金および米国短期国債を裏付け資産とする設計であり、アルゴリズム型のような過度なレバレッジ依存を回避しようとしています。一方で、UST 崩壊の教訓として、流動性リスクや市場ショック耐性をどこまで備えられるかが鍵になります。
Iron Finance(IRON/TITAN)の事例:部分担保型ステーブルコインの崩壊
- Iron Finance は、USDC 等を担保の一部にしつつ、トークン発行量を可変にするハイブリッド設計を採りました。
- 2021年6月、TITAN の大口売却がトリガーとなり、流動性が枯渇、IROR/TITAN が瞬時に暴落する「銀行取付騒ぎ(bank run)型崩壊」が発生。
- 結果的に、このモデルも耐久性を欠く設計として批判されました。
比較点:Iron Finance の崩壊は、「担保比率の設計」「リスクヘッジ手法」「流動性の余裕」が不十分だったことによるものです。USDH は裏付け資産構成・資金管理設計を明記しており、こうした過去失敗例から学んだ要素を取り込む必要があります。
取引所/プラットフォームがステーブルコインを発行する例:Binance USD(BUSD)など
- Binance は Paxos と提携して BUSD を発行してきました。BUSD は発行企業と取引所が密接に関係するモデルでした。
- しかし、規制当局(たとえばニューヨーク金融サービス局)が BUSD の発行停止を命じたこともあり、発行体と取引所の関係性・規制対応の複雑さが顕在化しました。
- 取引所がステーブルコインを「自らのエコシステム価値強化」のために使う事例として参考になります。
比較点:Hyperliquid も取引所/DEX 系のエコシステムを運営しており、USDH は “自前ステーブルコイン” の典型例になり得ます。ただし、BUSD のような事例では規制対応がハードルになったため、USDH もこれと同様に監督規制・発行責任を重視する必要があります。
総括:共通課題と差別化要因
- 過去の失敗例から学ぶべきは、「流動性枯渇/担保比率設計不備」「信用・透明性の欠如」「規制対応不足」が崩壊を生みやすい点である
- USDH は裏付け資産を明示し、発行権者を選ぶプロセスをガバナンス化する設計を採用しており、これらのリスクに対処しようという方向性を持っています
- ただし、発行権選定プロセスの透明性、準備資産の管理・監査体制、需給ショックへの耐性、そして将来的な規制整備が成功/信頼維持のカギとなるでしょう
このニュースを受けた関係者や企業のコメントまとめ
ネイティブ・マーケッツ(Native Markets)の反応
ネイティブ・マーケッツの共同設立者であるMax Fiege氏は、USDHのローンチに際して「Hyperliquidの次のステージは、ネイティブなステーブルコインによって牽引される。USDHを通じてエコシステムに貢献していきたい」と述べています。
また、同社はUSDHローンチ初日に、USDCとのスポット取引ペアを提供開始したことを発表し、事前におよそ1,500万ドル分のUSDHがミントされたことも明らかにしています。これはエコシステム全体としての需要と流通体制が既に一定程度整っていたことを示唆しています。
選定プロセスに対する批判・懸念の声
DragonflyのHaseeb Qureshi氏
ベンチャーキャピタルDragonflyのマネージングパートナーであるHaseeb Qureshi氏は、USDHの発行権選定について「複数の入札者から、バリデーターはネイティブ・マーケッツ以外の提案を真剣に検討していなかったと聞いている。まるで裏で話がついていたようだ」と発言しています。
この発言は、選定プロセスの透明性に対する疑問を投げかけており、ガバナンスの公正性が改めて問われる要因となっています。
Oak ResearchのArtem Sinyakin氏
Oak Researchの創業者であるArtem Sinyakin氏は、ネイティブ・マーケッツが他候補よりも早期から提案の準備を進めていた可能性や、Hyperliquid側との事前の関係性が競争上の優位性になった可能性があると指摘しています。
これは、純粋なガバナンス投票としての公平性に疑問を呈する意見であり、DeFiにおける「分散型意思決定の理想」との乖離を示唆しています。
Ethena LabsのGuy Young氏
Ethena Labsの創業者であるGuy Young氏は、ネイティブ・マーケッツが選ばれたことについて「誰も反対しているわけではない。ビジネスとして、できることをやっただけ」と語っており、表面的には中立的ながらも、選定の経緯には何らかの戦略的準備があった可能性を示唆する発言と受け取れます。
関連企業・パートナーからの歓迎の声
データ提供を行うAlliumは、LinkedIn上で「USDHのローンチを心から歓迎し、Alliumは初日からHyperliquidに正確なデータを提供する」とのコメントを発表しました。このように、エコシステムの関係企業からは前向きな協力姿勢が示されており、スタート時点ではポジティブなムードが形成されています。
全体として見える反応の傾向
USDHのローンチ自体に対する評価は概ね好意的であり、とくにHyperliquidのネイティブ通貨としての役割に期待が集まっています。一方で、発行権を巡る選定過程においては、内部関係者との事前連携や公平性への懸念が一部から表明されており、今後の運営体制や説明責任が注目される要素となっています。
ネイティブ・マーケッツにとっては、こうした声に誠実に対応しながら信頼を積み上げていくことが、USDHの定着とHyperliquidエコシステムの発展に不可欠な条件となるでしょう。
このニュースを受けて変動する可能性があるコイン一覧
| コイン名 | 影響度 | 理由 |
|---|---|---|
| HYPE(Hyperliquidのネイティブトークン) | 高 | USDHの準備資産利回りの一部がHYPEの買い戻しに使われるため、トークン価格への上昇圧力が想定されます。加えて、Hyperliquidエコシステム拡大に伴うユースケースの増加も期待されます。 |
| USDC(USD Coin) | 中 | USDHとUSDCの取引ペアが新たに形成されることで流動性が分散され、一時的な需要変動や流通量の変化が起こる可能性があります。USDCの利用が減少するリスクと、橋渡し資産としての活用増の両面があります。 |
| ETH(イーサリアム) | 中〜低 | USDHが将来的にERC-20化され他チェーンと接続されることで、Ethereum上での取引量やステーブルコイン関連アクティビティが活性化する可能性がありますが、影響は限定的です。 |
| Frax(FRAX) | 中 | 発行権競争に参加していたことから、落選による短期的なセンチメントの影響が考えられます。また、USDHの登場でFraxの採用率に競合圧力がかかる可能性もあります。 |
| Curve DAO Token(CRV) | 中 | ステーブルコイン競争の文脈でUSDHがCurveのエコシステムにどのように統合されるか次第で、CRVの報酬構造や投資インセンティブに間接的な影響が出る可能性があります。 |
このニュースを受けた関連コイン・株銘柄等の価格・出来高の直近推移
USDH(Hyperliquidのステーブルコイン)
価格推移
USDHはローンチ直後からおおむね1.00ドル前後の安定した価格で推移しています。一部の取引所では1.001ドル前後の価格で取引されており、ドルペッグは概ね維持されています。
出来高の動き
初日の取引量はおよそ200万ドルを超えたと報じられており、一定の初期流動性が確保されていることが確認されています。その後、24時間取引量は約10万ドル前後で推移しており、徐々に落ち着きを見せています。
取引所別の傾向
Bitgetなど一部取引所ではUSDH/USDCのペアで約3万ドル台の出来高が見られますが、CoinGeckoやCoinStatsでは数百万ドル規模の累積取引量が表示されており、取引所によって差があります。
HYPE(Hyperliquidのネイティブトークン)
HYPEトークンは、USDHの準備資産利回りの一部が買い戻しに充てられる設計となっているため、今後の資産運用規模やUSDH流通量の増加がHYPEの需要に影響を与える可能性があります。現時点では大きな価格変動は確認されていませんが、注目度は高まりつつあります。
USDC(USD Coin)
USDHはUSDCとのペアで取引が開始されたことにより、USDCの利用量や保有需要に若干の影響が出る可能性があります。価格は常に1ドル近辺を維持しており、目立った変動は見られません。ただし、USDCを裏付け資産とするプロジェクトの流動性や用途分布には中長期的な変化が生じる可能性があります。
CRV(Curve DAO Token)
Curveはステーブルコインの流動性プールで広く使われているプロトコルであり、USDHの登場がCurveエコシステム内のシェアに影響を与えるかが注目されています。直近ではわずかな下落(0.66ドル台)が見られますが、現時点でUSDHの直接的な影響と断定するのは難しい状況です。
Frax(FRAX)
FRAXは今回のUSDH発行権獲得競争に参加していたプロジェクトの一つです。落選後、一時的に注目度が下がる可能性があるものの、FRAX独自の経済設計や流動性維持能力が強いため、大幅な価格下落などは確認されていません。
考察:ステーブルコイン競争の中でのHyperliquidの挑戦
今回のUSDHローンチとその運営主体の選定は、Hyperliquidの将来的なエコシステム拡大戦略の一環と見ることができます。特に自社主導でのステーブルコイン運用は、取引所・DEXにとって資金の主導権を握る重要な手段です。
しかし、初期の信頼形成に失敗すれば、ステーブルコインそのものの信用や使用意欲を損なうリスクも伴います。その意味で、今回のネイティブ・マーケッツ選定に対するコミュニティの疑念には、早期かつ丁寧な説明・透明化対応が求められるでしょう。
今後は、以下の点がUSDH成功の鍵となると考えます。
- 準備資産の管理体制と外部監査の導入
- ユースケースと提携先の拡大
- コミュニティからの信頼獲得
- 規制動向に対応した柔軟な体制構築
Hyperliquidがこれらの課題を丁寧に乗り越えることができれば、USDHはDeFi空間における新たな有力ステーブルコインとなる可能性があります。
仮想通貨ハイパーリキッド(Hyperliquid/HYPE)の購入について
複数の海外取引所を併用するメリットについて
取引所毎にお得なキャンペーンが行われていたり、口座を開設して入金するだけでボーナス・ポジションが得られたり、よりハイレバレッジで先物取引を出来たりします。
その時に行われているキャンペーン次第では実質ノーリスクでトレードを楽しむことも可能です。
海外取引所によっては、直接国内取引所から送金できない取引所も存在するので、そういった場合はメタマスクのようなプライベートウォレットを利用して送金を間に挟む必要があります。
メタマスクの導入についてはこちらの記事を参考にしてください!
【初心者向け】メタマスク(MetaMask)とは?導入方法図解解説!
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