ロシア、輸入支払いの53.5%をルーブルで実施
2024年2月にロシアが輸入決済の過半数を初めてルーブルで行い、ドル使用(17.2%)を大きく下回らせた歴史的転換点。
地域別でもルーブル決済が拡大
アジアでは49.6%、ラテンアメリカでは45.8%がルーブルで決済され、敵対通貨(ドル等)の使用が10%前後まで縮小。
制裁回避と経済的合理性がルーブル化を後押し
制裁リスクの回避、為替損失の軽減、取引の柔軟性向上などが、企業にとっての実利的なメリットとなっている。
デジタルルーブル・BRICS通貨構想による決済多極化の加速
今後はCBDCやBRICS新通貨などによって、ドル・SWIFT体制からの自立をさらに強化する可能性がある。
仮想通貨、特にビットコインにとっての影響
脱ドルの流れは、ビットコインの「政治に左右されない通貨」としての魅力を高める一方、CBDCによる中央集権化への懸念も増加。
Contents
2025年初頭、ロシアは国際決済の構造において、歴史的な転換点を迎えました。
ロシア中央銀行の最新の報告によると、2024年2月における同国の輸入取引において、53.5%が自国通貨ルーブルで支払われました。
これはロシア史上初めて、ドルを含む「敵対的通貨」の使用比率(17.2%)を大きく上回る結果となり、地政学的・経済的にも大きな意味を持つマイルストーンです。
ルーブル決済の進展:地域別の傾向
この通貨政策の転換は、一部の地域において特に顕著に現れています。
アジアとの貿易
ルーブルによる決済比率は49.6%。敵対的通貨の使用はわずか10.2%。
ラテンアメリカ
ルーブル決済は45.8%に達し、同地域においても「脱ドル化」が進展。
特筆すべきは、これが一時的な傾向ではなく、2023年12月時点ですでにルーブル決済が50.3%に達していたという点です。
アナリストたちは、このトレンドが今後も続き、さらに強化される可能性があると指摘しています。
なぜルーブル決済が進むのか?
背景には、以下のような要因があります。
制裁回避
米国やEUの制裁を受けたロシア企業は、ドル決済を避ける必要に迫られています。
相手国の合意
中国やインド、ブラジル、アラブ首長国連邦(UAE)など、ロシアと経済関係を深める国々が、ルーブルまたは他の非西側通貨(元、ディルハムなど)での決済に合意している。
経済的合理性
輸入業者と供給者の双方が、為替リスクや制裁リスクから解放される利点があります。
PJSC Rosdorbankのシニア・バイスプレジデント、イリーナ・ピフティナ氏は、「追跡されにくい決済ルートは制裁を回避する手段として非常に有効であり、広範囲な商品において競争力を生み出す」と評価しています。
デジタルルーブルとBRICS通貨構想の可能性
ロシア政府はさらに、「デジタルルーブル」の導入や、BRICS諸国との協調による新しい国際決済ネットワークの構築にも意欲を示しています。
これは、SWIFTおよびドル基軸の国際金融構造に対する対抗軸として位置づけられており、Web3.0文脈でいうところの「分散型金融(DeFi)」にも重なる潮流です。
ビットコインと仮想通貨に与える影響
このルーブル決済拡大の動きは、仮想通貨、特にビットコインに対しても複数の影響を与えると考えられます。
脱ドル化の象徴としてのBTC
ドル基軸通貨体制の見直しが進めば、代替資産としてのビットコインの価値は相対的に上昇しやすくなります。
すでにロシア国内では、個人レベルでの資産逃避先としてBTCを選好する傾向が強まっており、金融制裁が長期化する中で仮想通貨は安全資産と見なされつつあります。
中央集権と分散の綱引き
一方で、ロシアが推進するデジタルルーブルやBRICS決済網はあくまで「中央集権型デジタル通貨(CBDC)」であり、分散型の理念とは相反します。
これにより、国家による監視と管理が強化される可能性があり、ビットコインのような自由な資産との対立軸が明確になるでしょう。
Web3.0と地政学
この通貨の多極化は、Web3.0が目指す「国境を超えた非中央集権的な経済圏」との親和性を高める一方で、国家による監視強化という新たな課題も浮上させます。
分散型ID(DID)や匿名性を担保するプロトコルへの需要が高まることも予想されます。
考察:金融の多極化と仮想通貨の未来
ロシアによるルーブル決済の拡大は、単なる通貨の話ではなく、世界の金融秩序の再構築を意味しています。
脱ドルの流れは一部の国や地域にとって、政治的・経済的自立の象徴ともなり得るものです。
このような世界的な動きの中で、仮想通貨──特にビットコイン──が果たす役割は今後さらに重要になるでしょう。
非中央集権的で、政治的影響を受けにくい通貨としてのBTCの価値は、ルーブルやCBDCとは異なる意味での「自由」を体現する存在です。
Web3.0における金融の未来は、中央と分散、管理と自由の間で揺れ動きながら、次なるステージに向かっているといえます。
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