法整備の明確化と施行時期
デジタル技術産業法により仮想資産と仮想通貨を正式に区別・合法化。
2026年1月1日施行予定。
規制・遵守体制の強化
AML(マネーロンダリング対策)・CFT(テロ資金供与防止)・サイバーセキュリティの遵守が義務化。
FATFグレイリスト脱却を視野に入れた国際基準対応。
国内外の事業者への影響
仮想通貨取引所・ウォレット・ブロックチェーン企業が合法ルートで展開可能に。
国内スタートアップ(例:C98, KardiaChain)への注目度が上昇。
今後の注目点:規制細則と実装フェーズ
ライセンス要件、税制、運営基準などの細則が今後数ヶ月以内に発表予定。
実行力のある制度設計が業界の成否を左右。
東南アジアのデジタル経済競争の中での位置づけ
シンガポール・タイ・インドネシア等との比較でベトナムの競争優位性と課題が明確に。
Contents
🇻🇳 ベトナム、デジタル技術産業法を可決──仮想通貨を正式に承認へ
- 可決日:2025年6月14日、ベトナム国民議会で承認
- 施行日:2026年1月1日より施行予定
- 目的:仮想資産・仮想通貨を明確に分類し、国内の法的地位を整えるほか、サイバーセキュリティやAML/CFT(アンチマネーロンダリング/テロ資金供与対策)の遵守を強調
法の内容と主な特徴
仮想資産と仮想通貨の2分類体系
新法では「デジタル資産(digital assets)」を以下のように分類:
- Virtual assets(仮想資産):ロイヤリティポイント・ゲーム内トークンなど非暗号通貨
- Crypto assets(仮想通貨):暗号技術を用いて発行・取引されるトークン(例:ビットコイン、イーサリアム)
※セキュリティトークン(証券)、CBDC(中央銀行デジタル通貨)やステーブルコインは対象外。
規制義務と遵守体制の整備
- 国内で規制が曖昧だった仮想通貨に明確な法的枠組みが提供される ➝ ライセンス取得、資本要件、KYC/AML義務などが予定
- サイバーセキュリティ強化や国際水準のアンチマネーロンダリング/CFT規制を義務付け
- FATFのグレイリストからの脱却を目指す狙い
デジタル産業支援の拡充
- 技術開発分野へのインセンティブ:AI、半導体、インフラ整備に関する法人税優遇、土地利用支援、研究開発補助金など
- 自治体及び教育への支援:デジタル人材育成プログラム助成、教育カリキュラムへの技術科目導入
背景──なぜ今、この法整備へ?
規制の曖昧さと混乱の収束:従来、中央銀行は支払いに仮想通貨を使用することを禁止し、銀行も対応を拒否してきたが、法整備が進むことで業界が合法ルートを得られるように
FATFグレイリスト問題:2023年にベトナムがグレイリスト入りして以来、クロスボーダー取引に制限があり、金融犯罪対策の国際基準準拠が急務だった
急成長する国内市場と投資機会:チェイナリシスなどによると、ベトナムは暗号資産利用率世界5位(1600万人以上、約1000億ドル相当)、成熟した市場インフラが不足していた
今後の流れと注目ポイント
- 細則と規制環境の策定:今後180日以内に、ライセンス発行、課税、取引所運営、カストディなど具体的な実施細則が決定予定
- 企業活動とプレイヤー参入の拡大:2025年末に向け、国内外の取引所、仮想通貨企業、ブロックチェーン開発会社による新規申請が予想される
- 投資・規制の両輪:インフラ整備・人材育成への補助とともに、AML/CFT・セキュリティ規制の実効性が鍵となる
ベトナムの仮想通貨合法化で注目すべきコインとその影響度
| コイン | 影響度(★5) | 理由 |
|---|---|---|
| ビットコイン(BTC) | ★★★★★ | 法整備で正式に取引が可能になることで、個人・法人の需要が急増する可能性。法定通貨と併用した資産保全手段としての注目も高まる。 |
| イーサリアム(ETH) | ★★★★★ | DeFiやNFTの基盤として利用が進む可能性があり、スマートコントラクト対応法整備の恩恵を直接受ける。 |
| BNB(バイナンスコイン) | ★★★★☆ | バイナンスはベトナムで利用者が多く、正式な取引所登録やライセンス取得によりBNBの取引量が増える可能性。バイナンスの地域戦略次第で影響が大。 |
| USDT/USDC(ステーブルコイン) | ★★★★☆ | 商取引や送金用途で需要増が見込まれる。ただし法整備の対象外として慎重に扱われる可能性もあるため注視が必要。 |
| KAI(KardiaChain) | ★★★★☆ | ベトナム発のブロックチェーンプロジェクト。国内規制整備により、公共・教育分野での活用や採用が進む可能性。国家プロジェクトとの連携期待も。 |
| C98(Coin98) | ★★★★☆ | ベトナム初のDeFiプロトコル。合法化により国内での採用が広がり、金融アプリケーションやDEXとしての地位向上が予想される。 |
| Ripple(XRP) | ★★★☆☆ | 国際送金ニーズの増加に伴い注目される可能性。ただしベトナム銀行による規制の厳格度によっては限定的な影響。 |
| SOL(Solana) | ★★★☆☆ | 高速処理と低手数料で、ベトナムのdApp開発者やNFT市場で採用が進む可能性。教育・開発支援政策次第。 |
考察
💡 総合評価
この法律は、ベトナムが「規制・安心」と「成長・革新」の両立を目指す野心的な布石といえるでしょう。2026年1月から業界運営が法的に認められることで、企業は安心して投資・展開できる環境が整います。
✅ ポジティブ面
- 明確な法制度により、国内外からの注目と投資が本格化する期待。
- AML/CFT遵守により、グローバル金融インフラとの接続が進み、国際取引が円滑化。
- AI・半導体など育成施策と連携し、付加価値の高い産業への移行が促進される。
⚠️ 注意点と課題
- 中小企業やスタートアップへの負担:ライセンス取得やコンプライアンス体制構築にはコストと人材が必要。政府支援がどこまで充実するかが鍵。
- 実効性の担保:細則に基づく監督体制や罰則の厳格な運用が不可欠。濫用や監視逃れの防止も要件に。
- 脱グレイリスト競争:東南アジア他国の動向(例:シンガポール、タイなど)と比べ、ベトナムは後発だが追い上げが可能。
ベトナムのこの法整備は、仮想通貨に対する正式な法的承認と、デジタル経済全体を底上げする構想の表れです。2026年1月以降は、国内市場・海外投資家ともに大きく動き出す可能性があります。今後は、各種細則、公聴会、国際連携などの最新動向を追いながら、この制度の実効性と産業波及力を検証していく必要があります。
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